QSCを高レベルで保つ企業が常日頃実践していることとは?

2018/07/05


飲食をはじめとするサービス業に従事している人なら、「QSC」という言葉を一度は耳にしたことがあるはず。QSCとは、これは店舗全体の質を高めるために徹底すべきことを表した略語です。
QSCが重要であることはわかっていても、特に店舗数の多い企業では、すべての店舗を統制し、一定の質を担保するのは非常に難しいことです。そこで今回は、QSCの代表的な課題を挙げるとともに、QSCを高レベルに保つ日本マクドナルド株式会社(以下、「マクドナルド」)を取り上げ、同社が実践するQSCを具体的に紹介します。

QSCとは何か

まず、QSCとは何かを説明します。QSCとは、下記それぞれの頭文字を指します。

Q=クオリティ
S=サービス
C=クレンリネス

自社で提供する商品の“クオリティ”、来店するお客様への“サービス”、清潔な店内を維持するための“クレンリネス”。企業によっては独自の要素が含まれる場合もありますが、飲食店をはじめとするサービス業では、この3つの要素を最低限クリアすべきだと考えられています。

複数店舗運営でQSC徹底するために乗り越える3つの課題

複数の店舗を営むうえで徹底すべきQSCには、次のような3つの課題があると考えられています。

1.QSCがどれだけ徹底されているか、本部に可視化されていない
複数の店舗を営む場合、本部と店舗とには物理的な距離が発生します。特に全国各地に店舗を持つのであれば、本部の人員がそれぞれの店舗を自分の目で確認し指導するには限界があります。そして、店舗が増えれば増えるほど、本部と店舗との乖離は大きくなります。最悪の場合、本部の意図とは違う方向へと店舗が一人歩きしてしまう可能性も。すると、店舗がQSCをどれだけ徹底しているかという部分が本部に伝わりにくくなります。その結果、本部が目指す基準ではない商品やサービス、店内環境がお客様に提供されることになってしまうでしょう。

2.視察している瞬間はしっかりやっても、また元に戻る
店舗におけるQSCを徹底させるために視察を行えば、確かにその前後は効果を発揮します。しかし、視察の頻度は限られますし、何より店舗側に視察のときだけ徹底しようという意識が働いてしまいます。QSCの徹底を持続可能なものにするためには、視察のように一時的な効果を発揮するものではなく、店舗自らが主体的に取り組める仕組みや制度を考える必要があります。

3.クレームが発生してはじめて、「できていなかった」とわかることも
クレームは、たくさんのお客様の声を1人が代弁した結果です。1人からクレームが発生したからといって、その1人だけが店舗における問題点に気づいていたわけではありません。クレームとして店舗側へ訴えかけずに、自然とその店舗を離れていくお客様の数のほうが圧倒的に多いはずです。これは、クレームが出てはじめて「できていなかった」ことがわかるということを意味します。しかし、この時点で改善しようと動いても、すでに同じ思いを抱えたお客様を何人も失っていた可能性があります。こういったクレームはQRCの欠如を示しています。あらかじめ想定してQRCを徹底することで、事前に回避することができます。

どん底から回復したマクドナルドが実践したQSCとは?

では、QSCを徹底させている企業は、具体的にどのようなことを実践しているのでしょうか。今回取り上げるマクドナルドは、2014年7月に中国メーカーが期限切れのチキンナゲットを販売し、2015年1月には相次ぐ異物混入が明るみとなって、一時は351億円もの赤字を出すほど低迷しました。これほどのどん底を味わいながらも、マクドナルドは2017年12月には過去最高益を叩き出して見事に復活しています。
これは、マーケティング戦略やメニューの改定などさまざまな施策を行った結果ですが、そのなかには店員のマニュアル改定や「スマイル0円」の復活といったQSCへの施策も含まれています。そこで、ここではQSCに関する3つの取り組みをご紹介します。

お客様の声を聞く体制の強化
マクドナルドのサラ・カサノバ社長は、お客様の声をきちんと聞く体制を整えようと、1年間(2015年)で47都道府県すべてに足を運び、直に生の声を聞いたそうです。同時に、簡単なアンケートに答えるとポテト(Sサイズ)の無料券がもらえるというサービスを付加したアプリ「KODO(コド)」を開発し、お客様の声を聞く仕組みを整えました。自社で徹底すべきQSCですが、それを最終的に判断するのはお客様。そんなお客様の声を現場に反映する仕組みは、QSCの徹底において欠かせない要素といえます。

サプライヤー協力のもと、生産からお店までのプロセスを再チェック
マクドナルドでは異物混入が発覚して以来、商品のクオリティを見直そうと「食品安全専門会議」を設置し、第三者の目で生産から販売までの過程をチェックする仕組みを導入しました。また、自社の店舗スタッフ約12万人に対しても、改めて品質管理のトレーニングを実施。さらには、自社のみならず、全サプライヤーが参加する「食の安全サミット」を開催することによって、生産する側の意識改革にも取り組んでいます。

品質チェックは自社だけで行っていては、どうしても自己満足で終わってしまう恐れがあります。そこで、お客様だけでなく、生産に関わる外部の人の目が行き届く仕組みを整えることで、第三者視点で品質を厳しくチェックしているというわけです。

清掃オペレーションの改革
業績が低迷する以前、マクドナルドでは店内の清掃をカウンター業務の合間に行っていました。しかし、来店客が多ければ清掃にまで手が回らず、店内はすぐに散らかってしまいます。そこで、スタッフが客席に常駐し、テーブルや床を清掃するようにしました。同時に、汚れが目立ちにくいオリジナルの小さなホウキも導入。「清潔な店内を心がけましょう」と意識を変えようとするのではなく、清掃のオペレーションや道具を変えることで店内を清潔に保つようにしたのです。

まとめ

マクドナルドの例からもわかるとおり、QSCを徹底させるには、QSCを継続的に行えるような仕組みが必要です。そうせざるをえない環境を作り出すことで、本部の人間が直接指導しなくとも、店舗自らQSCを徹底していくようになります。そうやって徹底したQSCを続けていけば、いつしか意識そのものも変化していくでしょう。ですから、まずはQSCが徹底されるような仕組みそのものに目を向けてみてはいかがでしょうか。

カテゴリ

タグ

サービスの詳細資料や
事例紹介をご希望の方はこちら

資料請求するkeyboard_arrow_right

keyboard_arrow_upTOP

導入をご検討の方はこちら

料金・サービス

提供しておりますサービスの詳細・料金をご確認いただけます

料金・サービス

資料請求

詳細資料や事例動画を掲載している特別サイトをご案内しております

資料請求