従業員満足度を把握していますか?

2018/05/16


社内の従業員を満足させるために、あなたの会社ならどのくらいの費用を投資しますか? 「社内マーケティング」という言葉があるように、従業員の満足度に目を向けることは、今や顧客を満足させるのと同じくらい重要になっています。実際、従業員満足度と顧客満足度の間には、深い相関関係があるともいわれています。今回は、従業員満足度について、その調査方法や、顧客満足度・業績との関係、向上させるための取り組み事例を紹介します。

従業員満足度向上のために投資するのは難しい?

顧客満足度(CS: Customer Satisfaction)に対して、従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)という考え方があります。これは、従業員がどのくらい今の職場環境に満足し、やる気を持って仕事に取り組んでいるかを表す指標です。例えば接客業では、顧客接点の最前線に立つ従業員の満足度が、顧客へのサービスの質を大きく左右します。従業員満足度が高ければ、おのずと顧客満足度も上がり、その結果、業績が向上してそれが給料などに反映され、さらに従業員満足度が高くなるので離職率が低くなって……というように、「ESとCS」は表裏一体の関係にあるともいわれています。

この考え方は、サービス業ではある程度浸透してきてはいますが、問題なのは費用対効果や、本当に顧客満足度や業績と因果関係があったのかを測定するのが難しいということです。従業員満足度が上がる要因は、必ずしも数値化できるとは限りません。給料や福利厚生など待遇面の整備から、人間関係、会社に対しての愛着や誇りのように目に見えない要素まで、多数の要因が絡み合います。

また、従業員満足度への投資判断も一筋縄ではいきません。従業員満足度が向上することにより経営指標のどの数字がどのくらいの期間でどれだけ上がり、結果として売り上げにどれくらい反映されたかが明確でないとならないからです。

結果、多くの経営者、マネジメント層がその重要性を肌身で感じながらも、従業員満足度を上げる施策が先送りになってしまうのです。

従業員満足度・顧客満足度・業績を数値化する

それでは、どうしたらよいのでしょうか? ヒントとなるのが、サービスプロフィットチェーン(SPC:Service Profit Chain)というフレームワークです。これは、従業員満足度・顧客満足度・企業利益の因果関係を表すもので、1994年に米ハーバードビジネススクールのヘスケット教授とサッサー教授により提唱されました。
因果関係を把握するには、まず次の3つの項目を数値化する必要があります。それぞれの指標・視点と併せて解説します。

従業員満足度
従業員満足度は、アンケート方式で回答を分析し、定性的に評価します。調査項目は、「経営の方向性」「直属の上司」「仕事内容」「社内の人間関係」「能力向上・スキルアップ」「職場環境・福利厚生」「人事制度」などです。

顧客満足度
顧客満足度を測る方法のひとつに、日本版顧客満足度指数(JCSI:Japanese Customer Satisfaction Index)がありす。「顧客期待」「知覚品質」「知覚価値」「顧客満足」「推奨意向」「ロイヤルティ」の6つが指標になります。それぞれについて、複数の質問を行い、その回答から平均値をとり測定します。
  そのほかに、「顧客ロイヤリティ」を数値化するNPS ®(Net Promoter Score)という方法もあります。商品やサービスの推薦度を質問し、0〜10の11段階で評価をしてもらいます。回答者の評価から、顧客を推奨者(9,10)・中立者(7,8)・批判者(0~6)に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いたものが、NPSになります。

業績
業績といっても、前述の2項目との因果関係を調べるためには、売上高や利益以外にも目を向ける必要があります。バランス・スコアカード(BSC:Blanced Scorecard)は、企業活動を「財務の視点」「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」の4つの視点から分析する業績評価システムです。

数値化ができたら、あとは相関関係を見つけるために、「従業員満足度」と「顧客満足度」、「顧客満足度」と「業績」の各項目間の関係を確かめることになります。やみくもに数字を分析すると膨大な時間がかかってしまうため、あらかじめ仮説を立てて、検証に臨むとよいでしょう。

従業員満足度をより詳細に調査するには?

ところで、従業員満足度調査においては、満足度を聞くだけでは、離職率の原因と職場環境との関係因子を正確に把握することはできません。従業員の企業への満足度と愛着心の度合いを測定するには、eNPS ®(Employee Net Promoter Score)という従業員の企業ロイヤルティを可視化する指標が適しているといわれています。

顧客満足度の指標になるNPSが、商品やサービスを親しい友人や同僚にどのくらい薦めたいかを質問するのに対して、eNPS(Employee Net Promoter Score)では、現在勤めている職場をどの程度薦めたいかを質問します。

従業員満足度を下げている要因を的確につかむには、福利厚生から仕事内容、職場の人間関係など、幅広い分野について質問していきます。eNPS調査で得られる結果は、従業員満足度調査よりも正確に職場環境を把握でき、各セグメントに最適な解決策を考えることが可能になります。

オリエンタルランドに学ぶ従業員満足度向上の取り組み

従業員満足度の重要性がわかったとして、具体的にはどうしたら良いのでしょうか? 事例を見てみましょう。ディズニーリゾートは、離職率の低さと、スタッフの約90%がアルバイトであるにもかかわらず、従業員満足度と会社への愛着心が高いことで知られています。ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドは、平成28年度に、厚生労働省主催の「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」で「最優良賞(厚生労働大臣賞)」を受賞しています。主な取り組みは下記になります。

I haveアイデア
ゲストに喜んでもらえる商品やサービスのアイデアを、すべての従業員が提案でき、選出されれば商品化される制度です。自分の意見で会社を動かしていると実感できるため、やりがいが増します。

スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート
職域の上下関係を超えて、お互いにすばらしいと思った日ごろの行動に対して、都度、メッセージを書いて称え合う制度です。そして、高評価のキャスト(従業員)が「スピリット・アワード」を受賞します。

ファイブスター・プログラム
キャストのすばらしい行動を目にした上司がその場で、その行動を称えるための、ファイブスターカードを手渡します。カードを受け取った従業員は、イベントで表彰され、記念品を受け取ることができます。

サンクスデー
年に1回、役員や従業員がアルバイトなどの準社員を、パーク閉園後にゲストとして招待し、感謝の気持ちを伝えるイベントです。
ここではオリエンタルランドの事例を見てみましたが、サービス業で多店舗展開をする企業では、似たような取り組みを導入している企業は多いようです。

従業員満足度をないがしろにすると?

反対に、従業員満足度が低下してしまうと、業績にどのような悪影響を与えると考えられるでしょうか?

一番わかりやすいのは、離職率の増加です。多店舗ビジネスを展開するサービス業では、非正規雇用労働者がサービス提供の主流を占めています。せっかく育てたアルバイトがすぐに離職し、また再度新しいアルバイトを雇用し、一から育成するとなると、多くの教育コストを支払うことになります。また、離職が続く店舗では、サービスのノウハウが継承されず、その質の低下と、慢性的な人材不足に陥ってしまいます。

費用対効果が見えにくい従業員満足を上げるための投資は、ついつい先送りされ、気がつくと深刻な人手不足に陥る可能性があります。そうなると、時給増加、営業時間の短縮化、ロボットへの投資など、企業サイズによっては売り上げの1%以上、金額にして億単位がかかるような施策を行うことになります。

このような手段に頼らざるをえない事態になる前に、まずは低コストで今すぐ始めることができる従業員満足度の調査からとりかかるのはいかがでしょうか? そしてもし結果が思わしくなかったとしたら、先にご紹介した取り組みを導入してみることをおすすめします。

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